浜辺の診療室から

認知症と就労者のあいだ   認知症をめぐって(その10)

老いびとが崩れ、介護していた同居人が崩れ、家庭まで崩れるといったニュースが

流れる時代です。

崩れゆくものがどこかにあるなら、どこかが受け止めねばなりません。

それぞれの地域で知恵を出し合い、崩れないような手立てを考える必要もあるでしょう。

 

家庭という環境が、ベターであるのはわかっています。

でもそれは、い・ま・あ・る家庭が、常にベストという意味ではないでしょう。

だからこそ、育った子はやがて家庭を出て、別の家庭に落ち着くのです。

 

居場所を失った老いびとは、巣立ちゆく若者と似ています。

限界を迎えた人は、これまでと別の環境になじむことで、

こころに静穏と余裕を取り戻していきます。

そうした環境のなかにいると、次の一歩への答がおのずと出てくることもあるのです。

 

 

ところで、( ※※ )に掲げた文言を、ちょっとひねってみます。

「 考える力、ものごとに対応できる力、社会に適応して生きる力など、

ヒト特有に備わった脳の機能が、いったん発達を遂げたあと

加齢や病によって低下しているものの、社会のなかで生きることが

かろうじてできている状態 」

 

これがわたしたち、就労者の姿です。

就労者と、認知症に悩む人の差とは、機能差にすぎません。

機能が2なのか、5なのか、8なのかという程度の問題です。

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