浜辺の診療室から

もっともな環境とは   認知症をめぐって(その16)

認知症の脳機能は劣化している。だから、もっともな環境に移したところで、もはや機能しない。

 

とする意見に対して、次にわたしが問うたのは、「 もっともな環境 」 についてでした。

もっともな環境とは、どういった環境をいうのですか ?

もっともな環境とは、誰にとってもっともだといえる環境をいうのでしょう ?

 

 

環境という要素が、現代社会のキーワードになったのは、さほど昔のことではありません。

その環境に、ゆがみが生じはじめているのは、周知のとおりです。

地球規模でいえば、温暖化と天災の増加、近隣諸国との軋轢、民族や宗教のちがいによる紛争。

国内を見渡せば、格差の拡大、少子高齢化、エネルギー問題、消えゆく地域コミュニティ。

これらのゆがみには、人間という要素がほぼ例外なく介在しています。

 

“ もっともな環境 ” を作り出した人たちは、幼児や学童でなく、認知症を抱えた高齢者でもない、

何者かです。

その環境は、作り手自身が暮らしにくい方向に向かって、にわかにゆがみ始めているのです。

 

われわれは何者か われわれはどこへ行くのか――

そう語ったのは、ゴーギャンでした。

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