浜辺の診療室から

閑話   高齢女性たちの関係性    老いあれこれ(その3)

とある教室に通っている女性たち。
頻度は月に1度。
その会が終わったあとは、いつも、いい気持ちになれるという。
会が終わったあとは、とくにお茶するわけでもなく、
誰かと駅まで一緒に歩くでもなく、
また来月ねって、それぞれにあいさつして解散。 
 
それでも、そこに来ている60代から70代の人たちは、
みんな仲良しらしい。
古くからいる固定メンバーが6人ほど。
人数は、全部で15人ほどだ。 
 
仲間について知っているのは、苗字だけ。
たとえば、あの人がサイトウさんで、
この人がコバヤシさんということは、みんな知っている。
でも、サイトウさんが、どこに住んでて、
コバヤシさんが誰と住んでいるか、なんてことは誰も知らない。 
 
先日、そろそろ名簿作りませんか? と先生が呼びかけた。
しかしみんな反応なく、途端にうつむいたりそっぽを向いたり。
しらじらしいというのではなく、
意地が悪いというのでもない。
強いていえば、
「そこまでしたくないって感じ、かな。
いまの、この関係でいいじゃない、この状態を続けたいの」 
 
あるところまでは許容する。
でも、そこから一歩踏み込まれるのは望まない。
だから、こちらも望まない。

そんな関係を保つことができるのは、都会だからだろうか。

arukuhito

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