浜辺の診療室から

閑話   知られたくない高齢者事情    老いあれこれ(その6)

高齢者が置かれている環境は、それぞれに複雑な事情もあるとのデータがある。
『地域福祉に関する意見交換会結果について』(愛知県長久手市)という
資料から拾ってみたい。 
 
たとえば、デイサービスを行っている施設から出た意見。
「利用者の自宅前に送迎車を止めないで欲しいとの要望が増えてきた。
家族に介護が必要な人がいることを近所に話している人が少なくなったように思う」
「サービスを利用していることを近所に知られたくないため、わざわざ遠くの地域より
来る利用者もいる」
これらは、介護や支援を要する高齢者が家にいることを隠しておきたいといった
家族側の心理とみてよい。 
 
あるいは、次のような意見もあった。
「古くからの住民が多く、地域的に高齢化してきている。
中にはプライドが高く、関わりを持ちたくても中に入っていけない人もいる」
「日中独居になる高齢者が多い。外に出てくれる高齢者は把握ができるが、
関わりたくない、交流したくないという高齢者もおり、把握が難しい」
「関わりを持たれるとイヤだという世帯が多くなり、民生委員として訪問することも
難しくなってきた」
顔を出して声をかけても、けんもほろろに断られる姿が目に浮かぶ。  
 
 
高齢者が置かれている環境には、現代という時代性も関係しているようだ。
「隣近所での付き合いが少なくなり、また生活レベルが上がったことで、
他人の協力を得なくても大丈夫だという世帯が多くなった」
「地域のつながりが薄くなってきた。昔は回覧板を回すのも、隣に声をかけて回したが、
今はポストに入れておく場合が多い」 
 
コンビニがあるから、ひとりでも生きていけると語った若者の姿と、妙にだぶることを考えれば、
高齢者が置かれている環境は、
「高齢者を含めた現代人が等しく置かれている環境」と読み替えたほうがいい。

 posuto

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