浜辺の診療室から

閑話   孤独と強さ    老いあれこれ(その10)

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デンマークの決断を知って驚いたこと。
それは、重圧とも映る課税政策や自治体の統廃合を、
国民主導で選択していった点にある。
国が運営していた福祉機能を、地方自治体に全面シフトするために、
1300以上あった地方自治体を270にまで圧縮統合した。
また自治体の規模がばらばらで、財力や年齢構成に歪みがあると、
権限移譲したところでうまくいかない、との考えがあったようだ。 
 
多少の痛みは伴っただろうが、
老いへの設計図は自分たちで、というスタンスで青写真を描き、
それをかたちにしたのだから、国民の納得性は高い。  

 
国民が考え抜き、勇気ある決断を下した甲斐あって、
デンマークは世界一幸福な国になった。
でもそこで暮らす高齢者が、
……いやそれは、ほんのひと握りの高齢者なのかもしれないけれど、
どうして強い孤独を感じているのか。 
 
 
最たる理由は、独居生活という生活スタイルにあるらしい。
デンマークでは、子どもが18歳になって独立することにより、
残された夫婦は、ふたたび夫婦だけの生活に戻っていく。
配偶者に先立たれても、子どもと同居することはない。
だから高齢の単身世帯は、一般的によくみられる生活スタイルだという。
 
ゆりかごから墓場までというシステムを作ったが、
それはあくまでも“保険”。
そうしたシステムに身を委ねることは最後の手段として残し、
可能な限り自分の生活は自分で、と考える。
そこには、自己決定により自分らしさを貫こうという強い姿勢がある。 

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