浜辺の診療室から

親族が遠い     老いびとのこころ(その2)

療養型病院や老健や特養には、
実の父や母が入所しているというのに、
もう何年も顔を見せない家族がいる。
それは、特殊なことではないのかもしれない。 
 
「私の家族は大家族ではなく、子ども夫婦、孫、ひ孫くらいしかいませんが、
残念なことに、ほとんど会うことがありません。
彼らには彼らの生活がありますし、私には私の生活があるからです」 
 
「娘たちには仕事があり、
例えば私が火曜日にゆっくり話したいことがあったとしても
すぐに会って話すことはできません。
かといって、私が土曜日まで待つこともできません。
時間がたつとその時の想いが失われてしまうからです」 
 
「子どもはみんなこの町に住んでいるので、
誰かの誕生日パーティーがあってもすぐに行けるし、
孫の子守りにもすぐに行けます。
私は招待しなくても
もっと遊びに来てもらえるものと期待していましたが、
そんなことはありませんでした。
自分が家族の重荷であるかのように感じ、
れっきとした家族の一員で価値のある人間として
感じられなくなりました」 
 
「私は家族に対してひそかにお願いしたいことがあります。
以前は楽しいことや冗談が大好きな、
明るく快活な私であったことを
忘れないでほしい、
ということです」
ki3

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