浜辺の診療室から

一日いちにちを熱く生きる     死と向き合うこころ(その10)

死と日常的に向き合う生活のなかで、
死を“実態”として考えることの無意味さを感じた岸本さん。 
 
その岸本さんは、死の周辺をみつめていくうち、
生命や人間という実在の重さを再認識するようになり、
なお一層のこと、命がけで働くようになる。 
 
死の暗闇が実態でないということは、(中略)大発見であった。
これを裏返していえば、人間に実際に与えられているものは、
現実の生命だけだということである。 
 
死というのは(中略)実態である生命がなくなるというだけのことである。
このような考え方がひらけてきた後の私は、
人間にとって何よりも大切なことは、
この与えられた人生を、どうよくいきるかということにあると考えるようになった。
いかに病に冒されて、その生命の終わりが近づいていても、
人間にとっては、その生命の一日々々の重要性は
かわるものではない。
つらくても、苦しくても、
与えられた生命を最後まで生きてゆくほか、
人間にとって生きるべき生き方は無い。
(『死を見つめる心』から)  
 
 
闘病生活のなかで、精力的に仕事をこなした岸本さん。
教え子の脇本さんのことばを借りれば、
「東大教授としてのほかに、
図書館長というふうな大きな仕事をお引き受けになられたり、
非常にクリエイティブに仕事をなさるんですね。
それが非常に激しく、もう一瞬一瞬燃えて燃えて生きるという」
生き方だったという。
 
yuuhi

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