浜辺の診療室から

別れるための準備     死と向き合うこころ(その12)

「死は別れのとき」と岸本さんが思えるようになったきっかけは、
ガンに冒された、ある大学創立者の告別式だったという。
死とは、日常経験している「別れ」と同類であり、
所詮大小という程度の差に過ぎないと、岸本英夫さんはいう。  
 
もう、一生会うことはできないと思って、
別れなければならないことがある。
このような「別れ」、それは、
常に深い別離の悲しみを伴っている。 
 
しかし、いよいよ別れのときが来て、
心をきめて思いきって別れると、
何かしらホッとしたきもちになることすらある。
人生の折に触れての、別れというものは、
人間にとっては、そのようなものである。
人間は、それに耐えていけるのである。 
 
死もそのつもりで心の準備をすれば、
耐えられるのではないだろうか。
普通の別れの時には、
人間は、いろいろと準備をする。
心の準備をしているから、
別れの悲しみに耐えてゆかれる。
もっと本格的な別れである死の場合に、
かえって、人間は、
あまり準備をしていないのではないか。 
(『死を見つめる心』から)
 


nemuri8/28

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