浜辺の診療室から

閑話  “おごり”をつぶせ(介護職場の課題 その3)

「介護職」と「モラル」で検索すると、似たような内容が並ぶことに驚く。
虐待や怒鳴るばかりではなく、たとえば夜勤に携帯ばかりいじっていたり、
仲間うちと、じゃれあっていたり。
モラルに欠けるひとは、どんな職業にもいるが、
さまざまな介護職場をみて、触れ合ってきたなかで思うことは、
プロ意識に欠け、同じ色を帯びたひとがなんと多いことか、といった驚きにある。
職種としての歴史が浅いからだろうが、人間として、また組織として未熟な職場が多い。 
 
おごり(傲り)は、自信過剰と見込みの甘さからくる。
自信過剰と見込みの甘さは、経験のなさと視野の狭さからくる。 
 
おごったり天狗になるのは、若者の特権かもしれないが、
そこを直さねば、利用者が迷惑する。
同僚だって、やる気をなくす。
そもそも介護や医療の現場で、年齢は関係ない。
どの職業であっても、それは同じことだ。 
 
おごりは、事故や経験が浅いことによる知識不足や力量不足とは異質の、厄介者だ。
“研修”に参加したり、講話を聴いたところで……対処法は、身につかない。
辛酸をなめ血ヘドを吐きながら、身に刷り込ませていくしかない。
二宮尊徳の「小事を努めて怠らなければ、大事は必ず成就する」を思い出す。
世間の人は、とかく小事を嫌って大事を望むけれども、
本来、大は小を積んだもの。
だから、小を積んで大をなすほかに方法はない、と尊徳は説いた。 

困ったことや、ムッとすることに出くわしたとき、
どう対処しようかと思案する姿勢を、忘れてはいけない。
一つひとつを面倒と思わず、しっかり向き合って判断する。
ベストでなくとも、さしあたりのベターを生み出す姿勢を重ねたい。
それが自然にできるひとと、背を向けて逃げてしまうひととがいる。
どうでもいいことさと、向き合わずに逃げてばかりいると、
どんなジャッジもできないひとになり、やがては倫理に欠け、モラルに欠けるひとになっていく。
もはや黒子とはほど遠く、そこには厳しさもなければ、ホントウのやさしさもない。
 
 善きを善きことと評価し、悪しきは悪しきことと説き、
明るさと、和気あいあいと、いいかげんさとは異なることを自覚しながら、
職種のステイタスをあげるための努力を、自らが積んでいくしか手はないのだと思う。
kousien

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