浜辺の診療室から

職場は元気ですか?     本日休診その15

職場がぎくしゃくしていたり、
心身のバランスを欠くようになった人が
雨後の竹の子よろしく現れた時期がありました。
構造不況となり、失われた10年とか
15年といったことばが登場した時期です。
その時代はいま第二次平成不況、第三次平成不況などと呼ばれます。
一方、第一次平成不況はバブル崩壊のあとに訪れ、二年半ほど続きました。
当時は精神科領域の学会でも労働衛生領域の学会でも
メンタルヘルスといった演題がありませんでした。
わたし自身の課題としてメンタルヘルスに取り組みはじめた時期が、そのころです。 
 
失われた20年を経た現在の経済状況が良好かどうかには触れませんが、
少なくとも平成不況時にみられた崩壊感は、いま薄れています。
そんな現在ですが、相談がぽつりぽつり舞い込んできます。
「職場が崩壊しつつある。職長も管理者も頭を抱えている」。
“トラブルメーカー”がいて、収拾がつかないというのです――。 
 
50代の医療職Aは、管理監督する立場ではないのに同僚への指示が多く、
職場のコミュニケーションが粗雑になっていきました。
40代の製造業研究職Bは、上司との良好な関係が保てず、
配置転換のあとも新しい上司との軋轢が絶えないとのことでした。
40代の医療職Cは、期間限定で管理監督する立場になったときから、
同僚への過干渉や圧力、利用者への高圧的態度が問題になっていきました。
いずれの職場も、心身を病んだスタッフが複数生じていました。
 
 話は双方から直接聴くことが基本ですが、
ACについては、本人が管理者に宛てた手紙が添付されており、
Bとは患者として対応したことがありましたから、
それぞれの心情を忖度することは可能でした。
3者には共通している点がありました。
 
自分は能力があるのだが、周囲は認めてくれないという思い。
  
ある条件を提示してくれなければ協力しないといった姿勢。
 
事故やヒヤリハット(インシデント)の報告書をいっさい「書かない」姿勢。 
 
一方、周囲の環境として共通していた要素もありました。
  
本人や同僚たちからの声を吸い上げるシステムがない。
  
上司とうまくいっている時期を経て、あるときから関係性が悪くなった。
  
悪い情報や状態は、現場で伏せられるか、もみ消されてしまう。
  
悪い情報があがってきてもその都度処理することなく、後まわしにしている。 

職場を元気にできるかどうかは、個々の教育とともに
わたしたちは誰のために、何のために働いていくのか
それぞれの職場論や組織論を管理監督者たちがしっかり打ち立て、
時間をかけて浸透させることが大事です。
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