浜辺の診療室から

91.1%を支える意識改革    本日休診その26

NHKの朝番組で
「延命治療はいや! そのとき家族は」が放映されたのは6月。
10月にまたこの話題がNHKで取り上げられました。
データベースは平成24年に内閣府が行った
「高齢者の健康に関する意識調査」のようです。
 
 
 高齢者の延命治療の希望についてみると、
  65歳以上で「少しでも延命できるよう、あらゆる医療をしてほしい」
 
と回答した人の割合は4.7%と少なく、
 
一方で「延命のみを目的とした医療は行わず、自然にまかせてほしい」
 
と回答した人の割合は91.1%と9割を超えた。
 
 これが結果でした。
こうした調査結果を受けて、NHKのみならず医療関係者も、
「ところが現実はというと」と、絶望的な意見を述べています。たとえば、
「自分の希望通りの方法で死を迎えることができるのは、
わずか数%しかいません。
とても残念ですが、これが今の日本の現実です」といった意見です。
配置医として関わっている特養シーサイド湯河原は
自然に任せた最期が10割弱、少なくとも9割以上ですから、
施設としては責任を果たしていると感じています。
 
 内閣府データの図「延命治療に対する考え方」をみると、
「少しでも延命できるよう、あらゆる医療をしてほしい」
と希望する高齢者(65歳以上の男女)は、
平成14年に9.2%だったのが、平成19年は7.4%。
平成24年では4.7%と、大きく減っていました。
実際に高齢者が亡くなっている場所は、
病院77.8%、自宅12.9%、
施設(老人ホームなど介護施設)
7.2%のようです。
自宅には、高齢者専用住宅(賃貸・分譲)が含まれます。
 
 自分の希望どおりの方法で死を迎えることができた人は、
ざっくりいうと
自宅(12.9%)プラス施設(7.2%)の合計つまり20.1%です。
2割は、少なくとも“絶望的数値”ではありません。
10年のあいだに延命希望者がいっそう減ったことを考えると、
これからも意識変化は起こるでしょう。
意識変化は医療サイドも例外ではありません。この春のこと、
超高齢者の“もろさ”を根拠に、
いくつかの治療ガイドラインが改訂されました。
あらゆる医療行為も“もろさ”には太刀打ちできない――
とするエビデンスが、国内外から相次いで出てきたからです。
 
 じつをいうと
“自然に任せた最期”を特養シーサイド湯河原で行うときも、
大きな意識改革を伴いました。
超高齢者のもろさを理由に病院へと送ってしまえば
最期を看取ることはできません。
寿命による終末期を施設で迎えていただくためには、
医療サポートはもちろん、施設の実力が問われます。
スタッフが一丸となって努力を重ねる理由は、
国民の意向91.1%にあります。
 
 ともあれ
「延命のみを目的とした医療は行わず、自然にまかせてほしい」
との願いに沿った看取りは、施設だけでなく、
自宅環境でも広がりをみせることでしょう。

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