浜辺の診療室から

過労への理解を    本日休診その27

先日「ノー残業デー」の無意味さを説いたコラムを読みました。
ほぼ同年代の人いわく、 
    
資源に乏しい日本にとっては、
  
「残業を厭わない人と、そこから生み出されたモノ作りの技術」
  
が唯一の資源であることを考えると、
  
NO残業day」という言葉に危うさと反発を感じます。
 
 
 大手広告代理店で若い女性が自殺したことを、
ニュースで知りました。
過労を経験したことのない人は、
被害者の心情が理解できないのかもしれません。
  
  それまで普通に仕事をしていたひとりの人間が、 
   うつ病になり、不安神経症になり、
 
 時を経て過労死し、過労自殺する前には、 
   一定の現象がかなりの確率で現れている。
 
 思考のコンフュージョン(混乱)だ。
 
 あることが気になって仕事に集中できず、
 
 ひとつのことを冷静に判断できないという、
 
 思考の交錯がもたらす混乱のことである。
 
 このとき脳は、使いすぎによる劣化というより、
 
 空転している。(『職場はなぜ壊れるのか』から) 
 
 
 労働衛生や過労死に首を突っ込んでいたころ、
日本能率協会経営研究所のグループで
優良な会社や、モノづくりで定評のある中小企業をまわり
意見交換したことがありました。
そこには“過労”はなく、“長時間労働”もなく、
ひたすら知的好奇心と協働と創発が渦を巻いていました。
画期的なモノやコトが、空転した脳から生まれることはありません。
研ぎ澄まされた感性は、ありふれた日常に宿ることを知りました。
 
 いかなる人も、
過労によって命を落とすことがあってはならないと思います。
経験がないからと長時間労働のトンネルに挑もうとする若者たちに、
それはダメだ 命を落とす危険があると諭すことは
ある程度、社会をみてきた
オトナたちの役割だと思うのです。

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