浜辺の診療室から

複合的に困窮する人と向き合うために    本日休診その28

昨年9月に厚生労働省が出したレポート
「誰もが支え合う地域の構築に向けた福祉サービスの実現」
を読み終えたので、
午前10時ごろの民放を見ていました。
ニッポンを支えるビジネスマンや、介護に忙しいスタッフたちは
決して見ることのない時間帯です。
 
 取り上げられていたのは、
正社員でありながら健康保険料が払えず病院受診ができない例や、
離婚したあと高校生と2名暮らしをしているシングルマザーなど。
「持ち家(別れた配偶者の家)だから生活保護はダメ」
と役所からいわれ、手持ちのお金が300円になった理由は、
働いていたところで怪我をし、就労できなくなったため。
フードバンクという組織が配る善意の食糧で
命をつなぎとめたとのことでした。
善意の食糧は寄付によって集められ、
消費期限切れぎりぎりのパンや、規格から外れた野菜などでした。
フードバンクをネットで調べてみると、代表者の弁に
     
2人の子どもを持つシングルマザーです。
     
自分自身のDVからの脱出をきっかけに、
     
DVや虐待被害の当事者による支援グループ
   
「ファースト・ステップ」を立ち上げました。
とありました。
 
 厚労省のレポートには、以下の内容が記されていました。
    
福祉サービスはこれまで、基本的には対象者ごとに整備されてきた。
    
しかしながら、少子高齢化、単身世帯の増加、地縁・血縁の希薄化などが進み、
    
ニーズが多様化、複雑化する現代社会においては、
    
既存の制度の対応では複合的なニーズを持つ者などが
    
適切な支援を受けられないという課題が提起されている。
    
例えば、軽度の認知症が疑われる80代の老親が
    
無職で引きこもっている50代の子と同居しているなどの場合、
    
当該世帯はしばしば複雑な課題を抱え
    
地域から孤立しているにも関わらず、
   
その世帯全体の課題に的確に対応する仕組みが存在しない。
 

 地域福祉の主たる担い手としての役割が果たせるよう、
 
社会福祉法人にも期待するとの内容が展開されており、そのためにも
 
経営組織のガバナンス強化、事業運営の透明性向上、財務規律の強化
 
などの改革を、早急かつ確実に行うよう付言されていました。
 
まずは内に目を向けて地盤を固めたあと、
 
しかと目を見開いて、外界で渦巻く声に耳を傾けながら動け!
 
それが国からの要請であり、期待なのでしょう。
 
これからやるべきことが、ほんの少し見えてきた気がします。
hikari

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