浜辺の診療室から

老いにまつわる病名   本日休診その43

近年は平均寿命が伸び、
男性は80.1歳に、また女性は87.1歳になりました。
同時に健康寿命といった概念も普及し、
男性は72歳前後、女性は75歳前後のようです。
ちなみに健康寿命とは、
医療や介護に頼ることなく、
自立した生活ができる生存期間のことをいいます。
 
 さて、人がどういった理由で生を終えたかは、
「主要死因別死亡率の長期推移」をみるとわかります。
近年になって急上昇しているのが“老衰”です。
老衰は、第二次世界大戦前までは
肺炎や胃腸炎、結核、脳血管障害に続く主要な死因でした。
その後、老衰による死は激減します。
激減した理由は、
人は、病気か、事故で死ぬものであるとする考えが
主流になったからです。
いいかえれば老衰は、病名でもなく、事故名でもない
といった考えがあったわけです。 
 

 死因は死亡診断書に書かれた病名によります。
ですから死にまつわる終末像をどう解釈するかで、
死因は変わることがあります。
たとえば、それまで上昇を続けていた心疾患が
1994年に“激減”したことがありました。
これは心疾患そのものによる死が減ったのでなく、
「終末期の状態としての心不全は、死亡原因としないこと」
とする通達が出たからと説明されています。
 
 つまり脳血管障害や老衰によって体力をすり減らし、
最終的に死亡した例に対して、医師たちは
「最後は心臓が止まったのだから心不全」
といった記載をしなくなったため、
“とりあえず”の心臓死が減ったのです。 
 
ところで都道府県別の健康寿命ランキングが発表され、
神奈川県の黒岩知事も
健康寿命ナンバーワンをめざすとのこと。
神奈川県は現在、15位です。

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