浜辺の診療室から

代謝する組織 その2/3   本日休診その52

生命体には自然治癒力がありますが、
それも老いて経年劣化することは、
もはや多くの人が知るところです。
けれども、すべての生命体が
老いるわけではありません。
ベニクラゲの例や、微生物の世界では
老いや経年劣化する概念さえないのです。
そう考えると組織は、
ヒトのような生命体より
微生物に近い代謝をしているように思えます。 
 
さて、自然治癒力というときの力とか
経年劣化というときの劣化とか、
その概念さえないという“現象”を
わたしたちは、どう理解すればよいのでしょう。
結論をいえば、アタマで理解するのでなく
現象は現象として認めてしまえばよいのです。
 
 たとえば医療の世界では、
細菌における薬剤耐性の話題があります。
   
抗生物質の乱用によって細菌が耐性を獲得すると、
   
やがてその抗生物質が効かなくなる――これが薬剤耐性である。
といった話を耳にしたことはありませんか ?
こうした説明を受けると、わたしたちは
まず細菌があり、あとから登場した抗生物質という薬剤が
そこに作用した結果、細菌が“賢く変質した”と思いがちです。
 
 けれども細菌は、
 
抗生物質という薬剤がある・ないにかかわらず、
 
薬剤耐性という力を内に秘め、発揮しています。
この現象は、ふとしたことで生じた遺伝子つまり耐性遺伝子が
恒常的に生まれることによって、もたらされます。
細菌が、特定の薬剤に対する耐性遺伝子を持つ現象は 事前に、
しかも細菌自身のなかで、一定の確率で「常に」起きているのです。
  
新規の薬剤が、その場に登場しても しなくても、
   
細菌は、すでにその薬剤に対する耐性を持っている。
 
 さて……変容する細菌と、変容する組織は
 
似ているのでしょうか ?
 
それとも、似ていないのでしょうか ?

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