浜辺の診療室から

代謝する組織 その3/3   本日休診その53

細菌は、脳という装置を持っていません。
まるで人類をあざ笑うかのような行為が、
細菌の頭脳で獲得された結果でなく、
また環境の変化を受けて進化したわけでもない以上、
わたしたちも、その現象をアタマで理解するのでなく
現象を現象として認めるほか、ないのです。
 
 ヒトは、先見の明があると信じ、
計画を立てようとします。
よくある話ですが、会社組織も頭脳があると信じ、
三カ年計画といった計画を立てて
達成率を評価したりします。
けれども周囲の環境の変化によって、
計画は大きな修正をせまられます。
ですから臨機応変に変わることができるよう
変化、チャレンジ、改革、イノベーションといった語句が
もてはやされていたのでしょう。
もっとも、ドラスティックに変わる環境に限界を感じたのか、
上記の語句は、以前ほど耳にしなくなりました。
けれどもそれとは別に、変わることができるかどうかは、
組織の“体質”にかかっています。
剛直な社風、旧態依然とした企業風土、
風通しのわるい組織風土が続く限り、
変わることも、改革することもできないのです。 
 
社風や企業風土は、考え方ひとつで
どうにでもなるものです。
しかし、どう努力してもできないのであれば、
社風や企業風土は、どうにもならないものであり、
どうしようもないものに成り下がります。
法改正や、人口減少によるマーケットの変化など
外部環境の変化によって、いくつかの組織は消えていきます。
それは抗生物質により、あっけなく消えていく細菌にも似ています。
一方で、外部環境に変化はあっても、
生き残っていく組織は、耐性のある細菌と似ています。
細菌では、ひょんなことで生まれた遺伝子がカギを握っていました。
顕微鏡でも見ることのできない、この遺伝子に相当する機能が、
組織では社風であり、企業風土です。
   
数年で消滅した組織は、自らの風土によって消えた。
    
300年続いている組織は、自らの風土によって残っている。
 
 組織のなかで一定の確率で「常に」起きている、ふとしたことを
どう取り込んで自己組織化するか――
 
 組織が絶えるも続くも、すべては
代謝を繰り返すことで生み出される風土に
かかっているのです。

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