浜辺の診療室から

終末期における対応(後半)  本日休診 その57

市場原理で用いられる用語に
マーケット・インがあります。
消費者つまりマーケット側が必要とするモノやコトを、
提供側が調査して供給していく姿勢が
マーケット・インです。
反対に、自分たちが生み出した技術をもとに、
こうしたモノやコトを提供できるといった立場から
市場に打って出る姿勢は、
プロダクト・アウトと呼ばれました。
 
 いずれの考えも一見、理に叶っていると思われがちですが、
それぞれ落とし穴や、限界があります。
マーケットのニーズが想像以上に多彩であり、
深浅を伴っているからでしょう。
医療や福祉介護の場でいえば、
利用者が何を求めているかを調査し、
それに呼応できる体制を整えるのが
マーケット・インに沿った姿勢といえます。 
 
しかし「最期はできる限り自然のままで」と希望する考えと、
「心肺停止が起きたら、せめて心肺蘇生は試みて欲しい」
といった考えが同居しているケースがあります。
あるいは終末期であっても、状態が悪いのであれば入院して、
できることは何でもして欲しいといった意見や、
病院に搬送することはお願いしたいが、
解剖は希望しないとする意見もあります。
一般的には、「自然のまま」の対応を希望された場合、
「終末期の心肺蘇生」は行われません。
また老衰が進み、終末期に入った身体は、
大半の医療行為に反応しません。
病院に入院してほどなく亡くなるような例は、
死因と特定する必要性から解剖されることがあります。
その判断は担当した医師の判断に委ねられ、
家族や施設は口をはさめないのです。  
 
 
マーケットつまり利用者側の考えを、
プロダクト側から調整してさしあげる行為も、
ときには必要なのです。

 

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