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エイジズム

日本ではエイジズム(年齢に対する偏見や固定概念)が強い。
「若い人は…。」「高齢だから…。」という言葉がそれを表す。
先日、報道で103歳にして、国際ゴールドマスターズ選手権に出場し、100m走にてご自身の記録を2秒も更新された『宮崎秀吉』さんの記事を目にした。お年を召され、なお活躍する宮崎さんの姿に尊敬の念を抱いた。人は何歳になっても輝き続けることができる可能性を秘めている。素直にそう感じた。
最近では、通勤電車の中でご年配の方に座席を譲ろうと声をかけると、不愉快な表情をされ「結構です。」と断る場面に何度も遭遇する。親切心からのポジティブなエイジズムではあるが、「年寄扱いするな。」と不快感を持たれたのだろう。医療の進歩や一人一人の健康意識の高まりもあってか、数十年前の高齢者と現在は違うことを理解する必要がある。
私たち介護の仕事では、ネガティブなエイジズムは撲滅のスタンス。
高齢だから…と勝手に決めつけることは、その方の尊厳を脅かすことにつながる。
その方の尊厳を守るために一人一人と向き合い、その方の持っている力を最大限に引き出す関りこそがケアである。国が考える自立支援介護、重度化に資する科学的介護の推進には、高齢者福祉に関わるエイジズム撲滅というメッセージも含まれているのだろう。ネガティフなエイジズム撲滅という思想・哲学の理解、浸透が施設における科学的介護の実践を目指す第1歩ではないか。