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平等は公平か?
『平等という名の不平等』
ビジネスで使われる事がある言葉ですが、
いわゆる『平等』は
「頑張っている人もさぼっている人も同一賃金で働いてください」
ってことです。
頑張っている人は嬉しくないです。
さぼっている人は喜ぶでしょう。
社会に出ると平等なんてありえない事だとわかります。
平等は誰かにとって必ず「不平等」なのです。
有名な絵です。
画像はbuzzupより
左は『平等』、右は『公平』と書いてあります。
とても分かりやすいですね。
この絵の左側が、「平等という名の不平等」です。
3個の足台を3人に平等に分けると
小さい子は見えず、大きい人は一層見やすくなりました。
そこで、
小さい子には足台を2個用意し、大きい人には足台を用意しません。
すると、みんな『公平』にベースボールを見る事が出来ました。
介護も昔は「平等」が当たり前でした。
全員同じ時間に起き、全員同じお風呂に入り、
全員オムツで、全員同じパジャマ(病衣)でした。
全員同じ髪型の施設もありました。←(ほんとです。施設カットとか言われてました。)
当時の職員は手がかかる認知症(当時は痴呆症)の人がいると
「あの人ばっかり手がかかる」といったものです。
だから手がかからないよう身体拘束が増えました。
認知症の人は縛られ、そうでない人は縛られません。
昔の介護職員は「介助量が一緒だから平等(つまり手がかからない)」と言いました。
普通の感覚の人は、これが平等ではない事は分かると思います。
小さいころに正義のように教えられてきた「平等」は
社会に出るとあり得ない考え方なのです。
みんな不平等で、みんな違います。
性格も歩んできた道も、生まれも職業も
今患っている病気も、残された時間も、みんな違います。
だから個別に対応しなければなりません。
私たちが行っているのは「平等の介護」ではなく「個別ケア」なのです。